山口百恵と中三トリオ
「横須賀ー
誰かがこの名前をつぶやいただけで胸をしめつけられるような懐かしさを覚える」
山口百恵さんの「蒼い時」はこの文で始まる。
山口百恵さんは横須賀で生まれたのではない。だが、彼女の多感な時期を横須賀で過ごしたそうである。
あの時代を生きてきた人は横須賀と言って思い浮かべるのは1番に山口百恵さんではないだろうか。
「これっきり、これっきり、これっきりですか」と歌う彼女は美しかった。その彼女、デビューは何だかフッと出てきたような気がします。
桜田淳子さんは華々しくデビューしました。エンゼルハットで「天使も夢見る」なんて少女らしい曲を歌っていました。
百恵ちゃんは「目覚めてくる年頃よ」などと、ちょっと背伸びをしている曲を歌っていたようです。あまりこのときの記憶はありません。ある時、淳子ちゃんに似た髪形のスターがいるなと思ったって見た写真が百恵ちゃんでした。
最初から、彼女が伝説の人になると思っていた人はいなかったのではないでしょうか。
お二人とも「スター誕生」という番組の出身者。この番組でスターへの道が。以前よりは近くなったとはいえ、地方の人間にはまだまだ遠い世界でした、芸能界は。
だから、お二人は眩しかった。いえいえ、森昌子さんが眩しくなかったと言っているのではありません。
彼女は歌がうまくて近寄りがたいと言ったら失礼になるかもしれませんが、「スター誕生」という番組がなくても、なんらかの形でスターになった人だと思いますね。
正直、中三トリオという言葉を聞いても違和感がありましたね。
(同じ学年というだけで一つにしていい存在なのか)
そんな考えを百恵ちゃんが引退するまで持っていました。
彼女は昭和の伝説の人。これに異を唱える人はいないと思います。同じ時代を生きてきたことを誇りに思うなんて大げさなことは言いませんが、同じ時代に生きていたことがうれしいですね。
さて、この年1冊の本がブームになり、社会現象に近い状態にりました。
タイトルは「日本沈没」。
景気が良いからの不安な気持ちになるのでしょか。景気の良い時代の不安感を象徴したタイトルでした。